和光塾 行橋
第65回和光展を1月8日~11日まで
行橋コスメイトにて開催致しました
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和光塾創立の言葉
一、 書道を中心とし絵画・茶道・謡曲・仕舞等、主として日本伝来の芸術道を
修行することにより、用と美とを兼ね具え、和光同塵の真味を体得し、
栄枯盛衰の流転に処し 常に人生を喜び得る真実なる人間を育成したい。
二、 木植え花を作るには先ず土を選び、深く耕し、土を造る事から始まる。
根幹を忘れ末葉に走ってはならぬ。
建国以来幾千年というもの、日本人の血肉となって呉れた伝統の文化芸道
を深く耕しこれに育まれて、初めてすべてと和して明るく、楽しんで潔く、
風流にして優しい日本的性情を培うことが出来る。
例えば茶の道で「和敬清寂」と云われる。顧るに敗戦以来茶道義散乱し、
国土の失われたこともさることながら、一家に育てられて家の名誉も親の
恩も想わず、物を粗末に し、終には自分自身をさえ軽蔑し、ただ外形の
新奇と華美と、瞬間的な欲望の満足に 眩惑され、流行の濁流に木片藻屑
の如く彷徨する人間喪失の相貌こそ、最も悲しきことである。
この人の世の何処に美しきもの、尊きもの、高貴なるもの、深遠なるもの、
人間生命の永遠にして価値価値の不滅なことを見出して行けばよいので
あろうか?!
この時和を尊び、万人諸物の生命を敬愛し、貴賎貧富、人生幾多の変転に
清々しく対処し、随所主となって、寂然不動の自己本来の面目を顕現する道、
これこそ茶道の真髄であろう。
和こそ、差別のまま、平等感情に生き、撰ぶこと嫌うこと奪うこと逃避すること
なく、与えられた運命を素直に受取り、静かに随順しながらいつしか超越し、
開拓し、我一人の小さな殻を蝉脱して還って暖かく抱かれ、豊かに生かされ
ている無我の一道を内観 させて呉れる日本的民主主義の本領だと思われる。
三、 伝統芸道の学修と云っても、ただ島国的な見識の狭い閉ざされた日本人に
成る事ではなく、世拾人に満足するものでもない。
根を培えば自然幹は伸びる。大地を踏みしめて遙かに天空を仰ぎ、
世界に広く雄美すること、開かれた日本人より偉大なる世界人へと大成する
ことこそ本塾の悲願である。
此の意味で学校教育の裏付けとなりたい。
すぐれた外人は日本を訪れ、日本独自の純粋な文化、美術、道義、人情の
失われて行くことを深く嘆いている。
講和が結ばれても日本人同士でさえ争い合っていては始まらない。
自らの命を尊び、日本のもてる美しさを自らに植え育て、一人一人が充実
せる人生を握りしめる時、そのまま日本は偉大になるのではあるまいか!!
(昭和26年10月 初代塾長 高田夢現記)

